「腐女子」の刻印は消えない

最古に属する部類だと思います。数十年!ぶりに甦った「萌え」にびっくりしたので、とりあえず自分のために分析した事を置きます

「哀しい予感」

ふと懐かしさから吉本ばななの「白河夜船」と「哀しい予感」を借りてきた。

何せ大層流行った人だから、当時一通りは読んでいて、その中で好きだった記憶のある2冊である。

 

読み返しておどろいた。

懐かしいとかもうそういうんではなく、昨日読んでいた本の続きみたいによく覚えていた。

(若い頃の記憶恐るべし)

 

それで、なんでわざわざここに取り上げるかというと、

吉本ばななの小説にでてくる男の人が、

BLで描かれる男性っぽいな!と思ったから!

 

ーーーーーーーーーーー

「君さっき、いつもの君を早回ししていたようだったよ。どうしていつもあんなふうに働かないの?」

と、彼はたずねた。受けをねらっていろいろな答えを考えたけれど、結局、

「バイトだから」

という言葉しか出てこなかった。

「よく、わかった」

と言って、彼はまたしばらくくすくす笑った。その低い声が私語を喋るときの清潔な響きや、きちんとした動作のまとまりに私は驚きつづけていた。今まで、彼のことなんか気をつけて見ていたことがなかったのだ。それから左手にある指輪にも気づいていた。でもそのことには触れずにお茶を飲んだ。彼が結婚していることに、本当はとてもがっかりしていた。

 

「白河夜船」 吉本ばなな著 新潮社 2002年 より抜粋

ーーーーーーーーーーー

 

少女漫画っぽいと言えないのは、少女漫画には既婚のスーツの男性はあんまり登場しないから。

とても微細な萌えポイントを詰め込んだ、現実にはいなそうな男性だなって思う。

いて欲しいけど。

 

記憶が正しければ、寂しいような終わり方をした気がするのでちまちま読んでます。