痴漢と依存症
タイトルとあらすじが、吉田秋生の「吉祥天女」を思い起こさせるので、長らく読んでいなかった三浦しをんの「秘密の花園」を読み始めて、いま1章読み終えたところ。
さすがしをんさん、最後のところで笑ってしまった。
女の子を獲物にする露出狂に、女子高生がきっちり仕返しをする。
露出狂ってネタだと思っていて、私も実際に見るまで半信半疑でしたが実在します。
中学生の時、早朝人通りの少ない地下鉄の階段の踊り場にいた。
階段を昇ってくるとなかなかのアングルで見上げることになり、汚っ!って思いました。女子学生にしたら排泄物と同じだー。
痴漢も痴女にも遭遇したことがあります。
混んだ電車で空いてる一席は理由があって空いていることを学習。
女性が数人集まった時に聞くと、半数以上が遭遇歴有り、になります。
さて。
痴漢及び性犯罪を、「性欲が強くてコントロールできない」という文脈で理解していないでしょうか。
さらに行くと、「男性とはそういうものだから仕方がない」
となっていませんか?
でもそれは間違い。
性犯罪はあらゆる依存症と同じように、
「快情動を生じる物質の接種や行為などを繰り返し行った結果、これを求める耐え難い欲求が生じ、これらを追い求め、これらがないと不快な症状が生じる状態」で、
アルコールやドラッグ、ギャンブル、万引き、ネット・ゲーム等と同じように、ストレス、不安、虚無感などを解消するための行為。
痴漢をただの「ストレス耐性が低い人」とみなす事は、
その無礼さを際立たせ、
「痴漢くらいしかたない」
「痴漢くらいで大騒ぎできない」
という、自縄自縛から自由にしてくれないでしょうか。
また男性諸氏を、
「痴漢の冤罪をかけられるかもしれない」
「性欲の亢進したケダモノと思われるかもしれない」
という恐怖から解放する事にもなる。
依存症の後ろには社会的孤立の問題があったりするから、切り捨てていいわけでもないけど、今、痴漢に遭遇して暗い淵を覗いてる人には、戻ってきて欲しいです。