悪い方のシナリオ
前回の続き。
一番簡単に想像できる悪いシナリオは、
コロナ禍で倒産する会社をグルーバル企業が買い上げること。
倒産を理由に従業員を解雇し、雇い入れる時は個人事業主として契約する。
最低賃金は保証されず、各種福利厚生からも見放されるということだ。
同じように債務で首が回らない各国政府にも国家事業のリリースを求め、
公共サービスが民間に売り渡されることになる。
英国では既に1979年、マーガレット・サッチャーが英国首相として同様のことを政策として行っている。新自由主義の始まりだった。その結果が現在にどう響いているかはこの先を考える上で示唆に富んでいる。
上野千鶴子が「国境は越えられるが階層は越えられない」と述べていた。
意識しないと見えないものがある。
私自身も首都を離れ、子供を公立小学校に放り込むまで貧困を目にしたことはなかった。
家庭生活が存在しないことで、安定した成長をもぎ取られ、ひらがなも正確に書けず(拗音・撥音が特に困難)、繰り上がりの足し算もできないまま小学校を卒業し、中学校の段階で不登校から引きこもりになる。
もう少しできても中学年程度の漢字があやしく、九九を正確に覚えていない。彼らは高校入学は果たしても高確率で退学していく。アルバイトが続けば幸運である。
少子化が危惧される中で、2割以上の子供が早い段階で社会からこぼれ落ちている。
私の周りにはいない、のではない。
ただ見えないだけなのだ。