思春期の身じまい
子どもを相手にする仕事をしている。
配属上、大勢多数に適応するのが難しい子が集まることが多い。
その中でも思春期に差しかかり、女子にキモがられることを気にし始めた男子にするアドバイスがある。
「髭(産毛)を剃りなさい」
父親がいて、尋ねられる状況ならお父さんに教わりなさいと言うし、無理なら百均の安全剃刀でなんとかなるから!と言ってあげる。
「着るもののセンスに自信がない」、
とか、
「清潔感とはなんぞや」
とか、
「オタクだから一生童貞だよね」
という悩みも飛び出す。
上から、
「ジーンズでもチノでもいいからお尻のサイズに合ったボトムを履け」
「ニキビは仕方ないから爪をキレイに整えよ」
「クラスの人気や顔の良し悪しではなく、あなたの話を楽しそうに聞いてくれる女子を大事にしろ」
というような事を答えている。
答えながら、そうだよな、親には聞きづらい案件だよなあ、と思う。
もっと乱暴に言うと、こういう事についてフランクに話せない家だと思春期にスタックしがちかもしれない。
話は飛ぶが、中学生の一時、息子も娘も物凄く「臭い」時期があった。
部活に後はシャワー浴びるまで台所に入るなー、なんなら靴は玄関の外に置いてくれ、と言うほど私には臭かったので、
「友達にくさいって言われない?」
などとひどい事を聞きながら、自分も同じ歳の頃、祖母にやたらと臭いと言われたのを思い出した。
興味深いのであちこちの母親に聞いてまわると皆同じ経験をしている。
そこで思いついたのが、「遺伝子配列が違うほどいい匂い」の逆説。
子どもたちには、どうやら親だから臭うらしい、でも成長が落ち着けば軽減するハズ、という話をした。
でもこれも、知らないと辛いよね?
だから、関わりがあってその必要がある子には、なるべくこういう話をするようにしている。
親とは話しにくい事を話題にしてくれる親戚や近所の人なんて、私の代でも既に絶滅危惧種だったんだから。
ところで、遺伝子と匂いの話は最初にこれで読んだ。
ずっと昔。