「腐女子」の刻印は消えない

最古に属する部類だと思います。数十年!ぶりに甦った「萌え」にびっくりしたので、とりあえず自分のために分析した事を置きます

「舞台 刀剣乱舞」のおもしろさ

刀剣乱舞」という名前しか知らずに、5月の無料配信を観た。

舞台設定も、登場人物の名前もわからずに観るのだから、そこで何が起こっているのか、推測するだけで精一杯だった。

 

最初に引っかかったのは「主命とあらば」という言葉だった。

時期が時期で、不誠実な政府に業を煮やしているのに、無批判にこの登場人物が置かれているならたいしたもんだ、と思ったのである。

しかし、わりとすぐに作り手には含意があるらしいことが知れてくる。

では、何を言わんとしているのか読み取ろうと、主軸に据えられそうな人物を追っていっても、惑い、揺れ、変節し、そうやすやすと結論づけさせてはくれない。

結局、観客も登場人物と同じ様に、一抹の不安と一杯の疑問を抱えたまま取り残される。

 

物語はどこへ向かっているのだろうか?と、

考えさせるところがこの舞台の一番の面白さだと思う。

 

そこに拍車をかけるのが、役者の演技である。

微笑んでも目が笑わない三日月宗近

役者の癖なのかと思いきや、かなり後に理由があることが判明する。

千秋楽の舞台挨拶で、登場人物と役者の境界を曖昧にするようなことをいう山姥切国広。

登場人物の心情の変化と、役者自身の変化が重なる山姥切長義。

メタな演出がますます物語に不穏な風を吹き込んでいる。

 

不安定な世界で、どう生きれば幸せだったといえるのか、そんなことを問いかけられているシリーズだと思う。